ボーデの法則とカイパーベルト
3/15 NASA、カリフォルニア工科大などによると10番目の惑星を発見した可能性があると発表。
1930年の冥王星発見以来発見されたうちで最大の太陽系の天体。
とまあこういうニュースが流れたわけですよ。
直径1700km、イヌイットの創世の女神の名「セドナ」をつけられた
新たな惑星?なんですが。
小さい。
ちなみに冥王星が直径2300km。
冥王星よりさらに小さい。
冥王星ですら惑星かどうか疑問視する声もあがっており、
「またNASAが予算確保のために発表したんだろ、けっ」
とかいう話も上がっていたりする…実際11月には発見されてたらしい。
まあそこはどうだっていいんだが、この新惑星?の太陽からの距離は
約130億キロ。ひじょうにつぶれた楕円軌道上を約10,500年かけて公転しており、
太陽から最大で1300億キロも離れる。…あの法則にしたがっていない。
あの法則とは…ボーデの法則といわれる法則である。
現在では既にこの法則は破られたという向きもあるが、この法則によって
天王星が発見され、また冥王星も大体その位置にあるんだから、完全に
否定するのもちょっと考え物だ。
で、ボーデの法則ってなんよ?といわれるかもしれない。
ていうか普通そうだろうな。
ボーデの法則とは、1766年ドイツの自然科学者チチウスによって発見され、
後に同じドイツの天文学者ボーデによって提唱された太陽から惑星までの
距離を表す経験的に導かれた法則のことである。
正式には「チチウス・ボーデの法則」が正しいんだろうけど、なんとなく
みんなボーデの法則と呼称している。チチウスがかわいそうだ。
チチウスの法則で検索=3件。
ボーデの法則で検索=293件。
ともかく、ボーデの法則は以下の公式から求められる。
n=1のとき
0.4
n≧2のとき
n-2
0.4+0.3×2
単位AU(天文単位)地球と太陽間の距離を1AUとする。
1AU=1億5000万kmくらい。
で、こんな表が出来る。
惑星 | n | 法則値(AU) | 実際の値(AU) |
水星 | 1 | 0.4 | 0.39 |
金星 | 2 | 0.7 | 0.72 |
地球 | 3 | 1.0 | 1.00 |
火星 | 4 | 1.6 | 1.52 |
セレス(小惑星帯) | 5 | 2.8 | 2.77 |
木星 | 6 | 5.2 | 5.20 |
土星 | 7 | 10.0 | 9.54 |
天王星 | 8 | 19.6 | 19.19 |
海王星 | * | --- | 30.06 |
冥王星(カイパーベルト) | 9 | 38.8 | 39.53 |
海王星の位置に対応する値が無いので使い物にならないかもしれない気もする。
でもn=9として冥王星を当ててみると大体一致してるといえるかもしれない。
で、この法則からすると今度の惑星は法則値からはずれている。
もしこの法則に従う惑星が存在するとするなら、
n=10で104.5億kmあたりに存在するかもしれないのだが…もう無いのか?
n=11で231億kmあたりにも有るのかもしれないが…。
カイパーベルト、彗星の故郷のあたりが太陽系の端っこなんだろうか?
だとしたらその向こうには何も無い空間が広がってる、のだろうか?
外宇宙を航行する場合に障害となるようなものはなんにもなく、がらがら
だというなら…やっぱり宇宙って寂しいところだな。